ObsidianでMermaidの図を表示する基本

Obsidianの公式ヘルプによると、図を入れるにはmermaidという言語名を付けたコードブロックを作ります(公式:Advanced formatting syntax)。コードブロックは、バッククォート(`)を3つ以上並べた行で囲んだ部分です(公式:Basic formatting syntax)。プラグインを入れる手順は、公式ヘルプのこの説明には出てきません。

最小の形は次のとおりです。1行目の```mermaidが、ここは図のコードだという目印になります。

コード・記入例
```mermaid
flowchart TD
  A["依頼"] --> B["対応"]
```

2行目のflowchart TDは、フローチャートを上から下へ並べるという指定です。左から右に並べるならLRを使います(公式:Mermaid Flowcharts Syntax)。公式ヘルプはフローチャートのほか、シーケンス図やタイムラインも描けると紹介しています。

書きながら形を確かめたいときは、MermaidのLive Editorで試してからノートに貼る方法も、公式ヘルプのヒントに書かれています。

Mermaidで業務フローを書く例(見積もりの承認)

ここからは架空の例です。見積もりの依頼を受けてから、金額によって承認者が変わり、顧客へ送るまでの流れを図にします。会社名や金額の基準は説明用に作ったものです。

コード・記入例
```mermaid
flowchart TD
  A["見積もりの依頼を受ける"] --> B["見積書を作る"]
  B --> C{"金額は50万円以上?"}
  C -->|はい| D["部長が承認する"]
  C -->|いいえ| E["課長が承認する"]
  D --> F["顧客へ送る"]
  E --> F
```

書き方の要点は三つです。

書き方意味
A["…"]四角い箱。AはID、引用符の中が表示する文字
C{"…"}ひし形。分岐の問いに使う
-->|はい|矢印と、矢印に付ける文字

箱のIDは英字にし、表示する日本語は二重引用符で囲みました。こうしておくと、あとで説明の言葉を直してもIDは変わりません。同じ箱へ2本の矢印を集めるときも、FのようにIDを書けば足ります。

編集部はこのコードを、Mermaidの10.9.1と12.3.0の2つの版でそれぞれ描画しました。ヘッドレスのブラウザでMermaid本体を読み込む方法で、どちらの版でも図になりました。左右の並びにしたflowchart LRの版も同じ結果です。Obsidianに入っているMermaidの版は公式ヘルプのDiagramの説明に書かれていないため、アプリの中で同じ見た目になるかは確かめていません。

やり取りの順番を残したいときは、シーケンス図が向いています(公式:Mermaid Sequence diagrams)。営業と経理の依頼と返事なら、次のように書けます。この例も上の2つの版で描画できました。

コード・記入例
```mermaid
sequenceDiagram
  営業->>経理: 請求書の発行を依頼
  経理-->>営業: 発行済みの連絡
```

公式ヘルプによると、図の箱にinternal-linkというクラスを付けると、箱がノートへの内部リンクになります(公式:Advanced formatting syntax)。箱に表示する文字がリンクの文字として使われるので、ノート名と同じ文字にしておきます。

コード・記入例
```mermaid
flowchart LR
  A["見積書の作り方"] --> B["承認ルール"]
  class A,B internal-link;
```

この例は「見積書の作り方」と「承認ルール」というノートがある想定です。この動きはObsidianの機能なので、Mermaid本体だけの描画では確かめられません。今回はアプリで試していません。

注意点が二つあります。一つは、図の中のリンクはグラフビューに表示されないことです。もう一つは、特殊な文字を含むノート名は二重引用符で囲む必要があることです。どちらも公式ヘルプの注記に書かれています。ふつうのリンクの書き方はObsidianのリンクの使い方で扱っています。

Mermaidの図が表示されない時の確認

図にならず、コードのまま見える。あるいはエラーの表示が出る。そんなときは、次の順に確かめると原因を絞りやすくなります。

Mermaidの図が表示されない時に確かめる4つを、上から順に並べた模式図。1 言語名を確かめる(コードブロックの先頭がmermaidか)、2 表示の切り替えを見る(ソースモードなら閲覧ビューへ)、3 記号を引用符で囲む(括弧などを含む文字は二重引用符)、4 予約語と新しい記法(小文字のendと版つきの書き方)。PLai編集部作成の模式図で、Obsidianアプリの画面ではありません。
編集部作成の模式図で、アプリの画面ではありません。

言語名がmermaidになっているか

図になるのは、言語名がmermaidのコードブロックです(公式:Advanced formatting syntax)。先頭の行が```だけで言語名がない場合や、つづりが違う場合は、ふつうのコードとして扱われると考えられます。囲みの行のバッククォートが3つ以上あるかも見ておきましょう。

ソースモードで見ていないか

Obsidianの編集画面には、ライブプレビューとソースモードの2つの表示があります。公式ヘルプはソースモードを、Markdownの記法を書いたとおりにすべて表示するモードと説明しています(公式:Views and editing mode)。コードのまま見えるときは、閲覧ビューに切り替えて図になるかを見てください。切り替えはCtrl+E(MacはCmd+E)でもできます。ソースモードで図が描かれないことは公式ヘルプには明記されておらず、ここは説明からの推論です。

括弧などの記号を引用符で囲んでいるか

箱の文字に括弧を入れると、そのままでは記法の一部と区別できなくなることがあります。Mermaidの公式ドキュメントは、扱いにくい文字を含む文は引用符で囲むよう案内しています(公式:Mermaid Flowcharts Syntax)。

書き方編集部の描画結果
A[見積書(PDF)を作る]2つの版とも構文エラー
A["見積書(PDF)を作る"]2つの版とも描画できた

小文字のendと新しい記法を使っていないか

フローチャートで箱の名前を小文字のendにすると図が壊れる、とMermaidの公式ドキュメントに書かれています。Endのように一部を大文字にすれば避けられます(公式:Mermaid Flowcharts Syntax)。編集部の描画でも、start --> endは2つの版とも構文エラーになり、Endに変えると描画できました。

もう一つは版の違いです。Mermaidの公式ドキュメントには「v11.3.0+」のように、使える版が添えられた記法があります。編集部が新しい形の指定(A@{ shape: doc }の書き方)を試すと、12.3.0では描画でき、10.9.1では構文エラーになりました。

ObsidianのMermaidと版の違いの考え方

2026年11月6日時点で、Mermaidの最新版は2026年11月3日に公開された12.3.0でした(公式:Mermaid 12.3.0のリリース)。一方、Obsidian公式ヘルプのDiagramの説明には、アプリに入っているMermaidの版は書かれていません。

そのため、Mermaidの公式ドキュメントで版が添えられた新しい記法を見つけたら、使う前にObsidianで一度表示を確かめるのが安全です。業務の手順書のように長く使う図なら、上の見積もりの例のように、古くからある箱と矢印の書き方を中心にすると、版による違いの影響を受けにくいと編集部は考えています。

AIにMermaidのコードを書いてもらう場合も、括弧の引用符、小文字のend、版つきの記法の3点は同じように見直しましょう。ObsidianのノートをAIと一緒に使う方法の一例はObsidianとClaude Codeの連携方法で紹介しています。

MermaidとCanvasの使い分け

Obsidianで図を作る方法には、Canvasもあります。Canvasはコアプラグインの一つで、ノートや画像をカードとして画面に並べ、線でつなぐ機能です。.canvasという別のファイルに保存されます(公式:Canvas)。

方法向いている場面
Mermaid手順や分岐を文字で書き、ノートの中に残す
Canvasカードを自由に並べて全体を見渡す

手順が決まっている業務フローはMermaid、考えを広げる段階の整理はCanvas、と分けると選びやすくなります。Canvasの使い方はObsidianのCanvasの使い方で説明しています。

業務の手順書にMermaidを使うとき

Mermaidの図は文字で書かれているので、手順を直すときはコードの一行を書き換えれば済みます。承認者が変わった、確認の工程が一つ増えた、といった変更を本文と同じノートで管理できます。

社内で使うなら、箱のIDは英字、表示する文字は二重引用符、分岐はひし形、と書き方の決まりを最初にそろえておくと、ほかの人が直すときに迷いにくくなります。どの業務から図にするか、手順書をどこに置くかは、社内の情報の置き場所の決め方とあわせて考える必要があります。PLaiのAI社員導入支援では、こうした業務の手順を整理し、AIと一緒に使える形へつなげています。図にしたい業務が決まっているときは、今の手順を持ち寄ってご相談ください。

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参考資料・出典

製品の機能・仕様や外部の発表は、以下の資料を参照しています。PLaiの運用例・実績と、公式の説明を分けてご覧ください。

  • Advanced formatting syntax(Diagram)

    mermaidのコードブロックで図を追加すること、Live Editorのヒント、internal-linkクラス、図のリンクがグラフビューに出ないこと、特殊文字のノート名は二重引用符。

    確認日:
  • Basic formatting syntax(Code blocks)

    コードブロックはバッククォート3つ以上で囲み、言語コードを付けられること。

    確認日:
  • Views and editing mode

    閲覧ビュー、ライブプレビュー、ソースモードの違いと切り替え方。

    確認日:
  • Canvas

    Canvasはカードを2次元に配置する機能で、.canvasファイルに保存されること。

    確認日:
  • Mermaid Flowcharts Syntax

    向きの指定、引用符で扱いにくい文字を囲むこと、小文字のendで図が壊れること、v11.3.0以降の新しい形の記法。

    確認日:
  • Mermaid Sequence diagrams

    シーケンス図の書き方。

    確認日:
  • Mermaid Live Editor

    図を試しに書ける公式のエディタ(Obsidian公式ヘルプのヒントで案内)。

    確認日:
  • Mermaid 12.3.0 リリース(GitHub)

    2026年11月3日に12.3.0が公開されたこと(2026年11月6日時点の最新版)。

    確認日: