タグ・フォルダ・プロパティの分担を決める

公式ヘルプでは、タグを「探したいノートをすばやく見つけるためのキーワードやトピック」と説明しています。公式:Tags 似た役割を持つ機能にフォルダとプロパティがあるため、最初に分担を決めておくと、どこに何を書くかで迷いません。

フォルダ・タグ・プロパティの分担の目安
機能向いている情報業務ノートの例
フォルダノートを保存する場所。1つのノートにつき1か所会議メモ、案件、資料
タグ保存場所をまたいで集めたい仲間分け。複数付けられる#顧客/A社、#採用、#要確認
プロパティ名前の付いた値。日付や数値として扱いたい情報担当、期日、状態

たとえば「A社との会議メモ」は、保存場所としては会議メモのフォルダに置き、A社に関係するノートを横断して集めるために#顧客/A社を付けます。期日や担当はタグにせず、プロパティに書きます。この分け方を前提に、以下ではタグの付け方と名前の決め方を説明します。フォルダの分け方はObsidian Vaultの作り方で、プロパティの項目と型はObsidianプロパティの使い方で詳しく扱っています。

タグを付けてノートを探す

公式ヘルプが案内しているタグの付け方は2つです。

  • 本文に書く:#に続けてキーワードを書く(例:#meeting)
  • tagsプロパティに書く:ノート先頭のプロパティに、リストの形で書く
コード・記入例
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tags:
  - 会議
  - 顧客/A社
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公式ヘルプは、YAML(プロパティの保存形式)でタグを書くときは常にリストの形にするよう案内しています。また、Propertiesのページによると、tags以外のテキスト型のプロパティに#を書いても、タグにはなりません。公式:Properties どちらの書き方を使うかはチームで1つに決めておくと、あとで点検しやすくなります。本文の途中に付けたタグは、文章の流れの中で「この段落は要確認」と示すときに便利です。ノート全体の仲間分けは、先頭のtagsプロパティにまとめるのがおすすめです。

付けたタグでノートを探す方法は、公式ヘルプによると次の3つです。

  1. 検索でtag:#meetingのようにtag:演算子を使う
  2. ノートの中のタグをクリックする
  3. コマンドパレットで「Tags: Show tags」を選び、Tags viewから目的のタグを選ぶ

検索のtag:には注意点があります。公式ヘルプのSearchのページによると、tag:#workで探しても#myjob/workは出てきません。親の位置に別の語がある階層タグは、子の語だけでは見つからないということです。一方でtag:はコードブロックの中やMarkdown以外の内容を対象にしないため、普通の文字検索で#workを探すより速く、正確になりやすいと説明されています。公式:Search

タグの階層と命名ルールを決める

タグはスラッシュ(/)でつなぐと、親子の階層にできます。公式ヘルプの例は#inbox/to-readと#inbox/processingです。階層タグは、機能ごとに次のように扱われます。

階層タグの扱い(公式ヘルプより)
機能扱い
検索tag:inboxで#inboxと、その下の#inbox/to-readなどがすべて一致する
Tags view子タグが親タグの下に表示される
Basesfile.hasTag("a")が#aと#a/bの両方に一致する

つまり、親を決めておけば、親の名前で子のノートまでまとめて集められます。「顧客」の下に会社名、「案件」の下に案件名、のように、あとで親ごと集めたい仲間を親にします。

名前に使える文字にも決まりがあります。公式ヘルプによると、英字・数字・アンダースコア・ハイフン・階層用のスラッシュに加え、絵文字や記号を含む一般的なUnicode文字を使えます。ほかに押さえておきたい決まりは次の3つです。

  • 数字だけのタグは作れない:#1984は無効で、#y1984のように数字以外の文字を1つ以上含める
  • 大文字と小文字は区別されない:#tagと#TAGは同じタグとして扱われ、Tags viewには最初に作った表記で表示される
  • 空白は使えない:2語以上をつなぐときは#camelCase、#snake_case、#kebab-caseなどの形にする

これらを踏まえて、社内で使う命名ルールを先に文章にしておきます。この記事の例では、次の4つにしました。

  1. 同じ意味の言葉は1つに決める(会議・MTG・打ち合わせは「会議」にそろえる)
  2. 階層は2段までにする(例:#顧客/A社)
  3. 年度や番号はタグにせず、必要ならプロパティに書く
  4. 新しい親タグを作るときは、既存の親で代わりにならないかを先に確かめる
Obsidianのタグを増やしすぎない順番の模式図。1 役割を分ける(場所はフォルダ、値はプロパティ、横断して集めたい仲間だけをタグに)、2 名前を1つに決める(会議・MTG・打ち合わせは「会議」に、数字だけのタグは作れない)、3 階層は2段までにする(#顧客/A社の形で親子をつなぎ、tag:顧客で子のノートも集まる)、4 月1回点検する(Tags viewを件数の順に並べ、1件だけのタグと似た名前を見直す)。編集部作成で、アプリの実画面ではありません。
役割の分担、名前の統一、階層の深さ、月1回の点検までの流れを示した編集部の整理図です。Obsidianの実画面ではありません。

表記ゆれが起きたタグを直す例

ここからは、架空のノート6件で考えます。3人が決まりなしにタグを付けた結果、次の状態になっていたとします。ノート名・会社名はすべて説明のために作ったものです。

直す前のタグ(合成例)
ノート付いているタグ問題
A社 定例 10月#会議 #A社会社名が親なしで付いている
A社 見積の相談#MTG #顧客/A社「会議」と同じ意味の別名
B社 初回打ち合わせ#打ち合わせ #顧客/B社「会議」と同じ意味の別名
採用 面接メモ#採用 #2026数字だけのため、タグとして無効
週次の振り返り#会議 #振り返り/週次/10月階層が3段
A社 請求の確認#a社 #要確認表記が違う会社名が親なしで付いている

この状態では、tag:#会議で探しても、MTGや打ち合わせのタグが付いた2件が出てきません。A社に関係するノートも、#A社・#a社・#顧客/A社に分かれています。公式ヘルプのとおりタグは大文字小文字を区別しないため、#A社と#a社は同じタグとして数えられる想定ですが、#顧客/A社とは別のタグです。

前の節の命名ルールで直すと、次のようになります。

命名ルールで直した後のタグ(期待値)
ノート直した後のタグ直したこと
A社 定例 10月#会議 #顧客/A社会社名を「顧客」の下へ
A社 見積の相談#会議 #顧客/A社MTGを会議にそろえる
B社 初回打ち合わせ#会議 #顧客/B社打ち合わせを会議にそろえる
採用 面接メモ#採用年度はタグにせず、プロパティへ移す
週次の振り返り#会議 #振り返り/週次月はタグにせず、2段にする
A社 請求の確認#顧客/A社 #要確認会社名を「顧客」の下へ

直した後は、tag:#会議で会議のノート4件、tag:顧客でA社・B社の4件がまとまって出る想定です。Tags viewの入れ子表示では、「顧客」の下にA社とB社が並びます。いずれも公式ヘルプの説明から作った期待値で、アプリで表示を確かめた結果ではありません。

増えたタグをTags viewで点検する

命名ルールを決めても、使っているうちにタグは少しずつ増えます。月に1回、コアプラグインのTags viewで一覧を見直します。公式ヘルプによると、Tags viewは保管庫(Vault)にあるすべてのタグと、タグごとのノート数を表示します。公式:Tags view

Tags viewには、次の操作があります。

  • 並び順の変更:タグの名前順(Tag name)か、件数の順(Frequency)を選ぶ
  • 入れ子の表示:階層タグをツリーで表示するか、平らな一覧で表示するかを切り替える
  • 展開と折りたたみ:すべての階層を開く・閉じる。階層ごとに矢印で開閉もできる
  • 検索への追加:タグをクリックすると検索され、Ctrl(macOSではCmd)を押しながらクリックすると、検索語にそのタグを足したり外したりできる

点検は、次の順で行うと見落としが減ります。

  1. 件数の順に並べ、1件しか付いていないタグを書き出す
  2. 名前の順に並べ、似た名前のタグ(会議とMTG、A社とA株式会社など)が隣り合っていないかを見る
  3. 入れ子の表示で、3段以上になっている階層がないかを見る
  4. 統合するタグを決め、そのタグで検索してノートを1件ずつ直す

タグの名前をまとめて変える方法は、公式ヘルプのTagsとTags viewのページには書かれていません。この記事では、検索で対象のノートを出し、1件ずつ直す方法を前提にしています。件数が多い場合に外部のツールやプラグインで一括変更するときは、先にバックアップを取り、数件で結果を確かめてから全体に広げます。

タグにしないほうがよい情報

タグは手軽に付けられるため、何でもタグにしたくなります。しかし、次の情報はタグ以外に置いたほうが扱いやすくなります。

タグ以外に置く情報の目安
情報置き場所理由
日付・年度プロパティ(日付型)タグは値の種類を持たず、日付として並べたり比べたりできない。数字だけのタグも作れない
担当者プロパティ入れ替わる情報で、1つの値として管理したほうが更新しやすい
進み具合(未着手・完了など)プロパティ値が変わるたびにタグを付け替えると、古いタグが残りやすい
ノートの中身の要約本文文章で読む情報で、仲間分けのラベルではない
そのノートにしか使わない言葉付けない1件だけのタグは、探す手がかりにならない

すべてのノートに細かくタグを付ける運用もおすすめしません。タグの数が増えるほど、付ける人ごとの判断がばらつき、点検の手間も増えるからです。「このタグで集めたいノートが、今後も複数出てくるか」を基準に、付けるかどうかを決めます。

プロパティに置く情報の型と項目のそろえ方は、Obsidianプロパティの使い方で説明しています。

チームでタグを使う前に決めること

複数人で同じ保管庫を使う場合は、使い始める前に次の3点を決め、ノートとして共有しておきます。

  1. 親タグの一覧:「会議」「顧客」「採用」など、使ってよい親タグを決める
  2. 表記の決まり:同じ意味の言葉をどれにそろえるか、会社名の書き方をどうするか
  3. 点検の担当と頻度:誰が、いつ、Tags viewで見直すか

タグの決まりがそろうと、人が探しやすくなるだけでなく、ノートをAIに読ませて「A社に関するメモをまとめて」と頼むときにも、同じタグを手がかりにできます。どの情報をタグ・フォルダ・プロパティのどれで分類し、チームの探し方をどうそろえるかを決める段階で迷う場合は、PLaiのAI社員導入支援で、業務に合わせた分類の決まりを一緒に整理できます。

Obsidianの基本から確かめたい場合はObsidianとは?できることと最初の使い方を、ノートを仕事の知識として残す全体の考え方はObsidianで第二の脳を作る方法を参考にしてください。

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株式会社PLai 代表取締役 市岡直人
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次は、御社の話を聞かせてください。

参考資料・出典

製品の機能・仕様や外部の発表は、以下の資料を参照しています。PLaiの運用例・実績と、公式の説明を分けてご覧ください。

  • Tags

    #で付けるかtagsプロパティにリストで書く。tag:検索とクリック、Tags: Show tagsで探す。/で入れ子、tag:inboxは子タグも一致、Tags viewは親の下に表示、BasesのhasTagは子も一致。使える文字、数字だけは不可(#1984不可・#y1984可)、大文字小文字は区別しない(表示は最初の表記)、空白は不可。

    確認日:
  • Tags view

    コアプラグイン。保管庫の全タグと各タグのノート数を一覧。クリックで検索、Ctrl/Cmd+クリックで検索語に追加・解除。並び順はTag nameかFrequency、入れ子のツリー表示と平らな一覧を切り替え。

    確認日:
  • Search

    tag:#workのように検索。tag:#workは#myjob/workを返さない。tag:はコードブロック内やMarkdown以外の内容を無視する。

    確認日:
  • Properties

    tagsは既定プロパティでタグ型。テキスト型のプロパティに#を書いてもタグにならない。

    確認日: