Notionから移す範囲と、戻せる状態を先に決める

最初に決めるのは操作より範囲です。ワークスペース全体を移すのか、ある部署の手順書だけを移すのかで、選ぶ方式も確かめる量も変わります。

決めること決め方の例決めないと困ること
移す範囲「営業の手順書と問い合わせ記録」のように名前で書き出す何が欠けたのかを後から判断できない
Notionに残すもの同時に編集する議事録や進行表は残す両方を更新し、どちらが新しいのか分からなくなる
試す場所本番とは別の、空の保管庫失敗した取り込みが既存のノートに混ざる

戻せる状態とは、元のNotionがそのまま残っている状態のことです。ZIPファイルがあれば安心、とは考えないでください。Notion公式は、書き出した内容を再びアップロードしてもワークスペースをすぐには再現できないと説明しています(公式:Export your content)。対象ページの削除やワークスペースの解約は、確認が終わるまで行いません。

業務の資料なら、社内のルールも先に確かめましょう。Importerの利用に承認が必要な会社もありますし、API方式のトークンもZIPファイルも、資料を読み出せるものとして管理が要ります。

Notionの取り込み方式は、APIとZIPの2つから選ぶ

Importerは、Obsidianチームが作った公式のコミュニティプラグインです(公式:Importer)。確認時点の最新リリースは、2026年10月21日公開の3.1.16でした(公式:リリース 3.1.16)。公式ヘルプはNotionアカウントへの接続を推奨し、ZIPの読み込みをもう一つの方法として載せています(公式:Import from Notion)。

比べる点API方式ZIP方式
必要なものNotionの接続、アクセストークン、インターネット接続HTML形式で書き出したZIP。トークンとインターネット接続は不要
データベース数式を含めてBasesへ変換されるデータベースとしては残らない
対象の選び方接続に許可したページとデータベースから選ぶリンクを正しくつなぐため、全体を一度に取り込むことが勧められている
向く場面データベースを使い続ける、範囲を絞って移すトークンを発行しにくい、ページの文章と添付が中心

迷ったら、データベースを今後も一覧や絞り込みに使うかどうかで決めましょう。使うならAPI方式、読めれば十分ならZIP方式です。

Notionの「Markdown & CSV」形式には注意が要ります。Obsidian公式は重要なデータが抜けるとして、Importer用の書き出しにはHTMLを選ぶよう案内しています。

データベースを今後も使うならAPI方式、読めれば十分ならZIP方式を選び、どちらも空の保管庫で取り込んで移行前と比べ、元のNotionを残したまま本番の範囲へ広げる流れを示した模式図。
編集部作成の模式図。方式を選んだ後は、どちらも空の保管庫で試してから本番の範囲へ広げます。

Notion側でデータを書き出し、接続を準備する

画面の名前は英語版の公式ヘルプに合わせています。

ZIP方式:HTMLでワークスペース全体を書き出す

  1. Notionのサイドバー上部からSettingsを開き、WorkspaceのGeneralへ進む
  2. Export all workspace contentを選ぶ
  3. Export formatでHTMLを選ぶ
  4. Include everythingを選び、Create folders for subpagesを有効にする
  5. メールかブラウザでZIPファイルを受け取る

ワークスペース全体の書き出しには管理者権限が必要です(公式:Import from Notion)。Notion公式によると、処理には最大30時間かかることがあり、メールで届くリンクは7日で切れます。他の人の非公開ページなど、書き出す人が見られないページは含まれず、チームスペースの設定で含まれない内容もあります(公式:Export your content)。部署の資料を移すなら、書き出す人に対象のページが見えているかを先に確かめてください。

API方式:接続を作り、見せるページを絞る

  1. NotionのConnectionsのダッシュボードでNew connectionを選ぶ
  2. 名前を付け、認証方式にAccess token、Installable inに対象のワークスペースを選ぶ
  3. Create connectionの後、ConfigurationタブのAccess tokenをShowで表示してCopyで控える
  4. Content accessタブで、取り込むページとデータベースを追加する

トークンは多くの場合ntn_で始まる長い文字列で、公式ヘルプはパスワード管理ツールなどの安全な場所へ保存するよう案内しています。チャットや共有メモには貼らないでください。

Content accessには、移す範囲だけを入れましょう。許可していないページはImporterで読み込めないため、範囲を絞る手段にもなります。データベースは、元のデータソースを含むものを選びます。リンクされたデータソースはNotion APIが対応しておらず、取り込まれません(公式:Import from Notion)。

ObsidianでNotionをインポートする手順

空の保管庫を開き、SettingsのCommunity PluginsからImporterをインストールして有効にします。その後、コマンドパレットかリボンのアイコンからImporterを開きます。Obsidianを初めて使う場合は、保管庫やノートの基本をObsidianの最初の使い方で先に見ておくと進めやすくなります。

手順API方式ZIP方式
1. File formatを選ぶNotion (API)Notion (.zip)
2. 入力するAPI tokenのLink...からシークレットを追加し、Secretにトークンを入れる書き出したZIPファイルをそのまま選ぶ
3. 対象を決めるLoadを押し、取り込むページとデータベースを選んで、取り込みの設定を見直す必要なら取り込み先のフォルダを選び、Save parent pages in subfoldersを有効にする
4. 確認して実行するImportでテンプレートとプレビューを確認し、もう一度Importを押して完了を待つ

プレビューには、選んだデータから最大10件の見本が出ます。ただし、一部の添付や外部の項目、ノート間の参照は実行するまで解決できず、元のリンクや仮の表示のままの場合があります(公式:Importer templates)。プレビューがきれいでも、確認は取り込みの後に行ってください。

API方式では、最初のImportを押す前に取り込みの設定を見直します。次の2つの設定で取り込まれる範囲が変わります。名前と内容はImporterの公開されている文言とコードで確かめたもので、画面での表示は確認していません(公式:Importerの表示文言)。

設定内容判断の目安
Download external attachments外部URLの添付も手元に保存する。既定はオフで、Notionに置いたファイルは常に保存されるリンク切れが困る資料があるなら有効に
Import linked databases選んだページがリンクするデータベースも取り込み、関連項目をリンクにする。既定はオフ選んでいないページも入るので、社外秘が混ざらないか確かめてから有効に

同じ文言の一覧には、ノート・添付・スキップ・失敗の件数表示と、結果を保存するSave reportがあります。完了画面で見つかったら、閉じる前に残しておきましょう。

Notionと取り込み後の差を、合成データで確かめる

ここからの例は編集部の設計例で、実画面での操作や実移行の測定ではありません。期待する結果は、公式ヘルプとImporterの公開コード・公開テストから読み取ったものです。同じ形の小さなデータで、ご自身の環境でも確かめてください。

移行前のNotionに次の内容があるとして、数を先に書き出しておきます。

種類合成データの内容数
通常のページ親「営業手順」、その子「提案の流れ」「見積の確認」、別の親「料金規程」4
データベース元のデータベース「問い合わせ記録」。レコード4件、ビューは主ビューの「全件」と、もう一つの「未対応」1
添付Notionへアップロードした画像2件とPDF1件、外部URLの画像1件4
ページ間のリンク営業手順→提案の流れ、提案の流れ→見積の確認、見積の確認→料金規程3
属性状態、受付日、担当、経過日数(数式)4

API方式では料金規程を接続に入れず、残りの3ページとデータベースだけを許可します。ZIP方式ではワークスペース全体を書き出すので、料金規程も入ります。どちらも表紙やアイコンは付けず、設定は既定のままとします。

確かめる項目API方式で期待する結果ZIP方式で期待する結果合わないときに見る所
ノートの数7件(通常のページ3件+レコード4件)8件が目安(通常のページ4件+レコード4件)。データベース本体のページで1件増える可能性もある結果のスキップと失敗、接続の許可範囲、書き出す人の権限
データベース問い合わせ記録/問い合わせ記録.baseが1つ。ビューは主ビューの「全件」だけ.baseは作られない前提。レコードが属性付きのノートになっているかを見る元のデータベースを許可したか。「未対応」は作り直す
添付Notionに置いた3件が保存される。外部URLの画像はURLのまま3件が保管庫にあるかを見る。外部URLの画像は公式資料に記載がないため実物で確かめる画像とPDFを開く。ZIP方式ならInclude everythingを選んだか
ページ間のリンク2本はノートへつながる。料金規程への1本は取り込み先がない3本ともノートへつながることを期待するリンクを順に開く。料金規程も移すのか、本文を直すのかを決める
属性状態・受付日・担当はプロパティへ。経過日数はBasesの数式へ、対応できなければ値で保存状態と担当はプロパティで確認。受付日は解釈できないと文字のまま。経過日数は式として動かない前提で値を見るレコードを1件開き、Notionと見比べる

ZIP方式のノート数を「目安」としたのは、データベース本体のページの扱いを公式ヘルプから断定できないためです。数が増えたら、名前を見て何が増えたのかを確かめます。

数が合っても、そこで終わりにはしません。ノートが7件あっても、画像が開けなかったり、担当の欄が空だったりすることは数からは分からないからです。各項目で最低1件は、Notionと並べて読み比べてください。

Notionの画像・リンク・データベースで差が出やすい所

本番でも全ページを開く必要はありません。データベースごとのレコード数を数えたうえで、業務で必ず使うページと、画像やリンクの多いページを選んで読みます。

見る所公式資料で分かること確かめ方
画像・添付プレビューでは解決されない場合がある取り込み後に画像の多いページを開き、表示とファイルの存在を見る
リンクZIP方式は全体を一度に取り込むことが勧められている重要なページからリンクをたどり、範囲の外を指すものは一覧にする
データベースAPI方式で取り込まれるのは各データベースの主ビュー(primary view)だけ。関数のname()、email()、style()、unstyle()は変換されない日常で使うビューと該当の数式を書き出しておく
ページの構成Notionのフォルダに書いた本文は、ZIP方式ではフォルダ内のサブページになる親ページの本文がどのノートに入ったかを見る
コメントNotionのHTML書き出しには含められるが、Importerでの扱いは公式ヘルプに記載がないコメント付きのページを1件試し、必要なら別に残す
閲覧権限Notionの共有設定がノートへ引き継がれるという説明は確認できなかった引き継がれない前提で、保管庫の置き場所の権限を決め直す

特に差が大きいのはデータベースです。Basesはノートとプロパティを一覧にする機能で、データはMarkdownファイルとプロパティに入っています(公式:Introduction to Bases)。使っていたビューは一つずつ作り直す前提で見積もってください。作り直しの手順はObsidian Basesでノートを一覧化する方法で確認できます。

Notionからの移行が向かない条件と、つまずきやすい場面

同じページを複数人で同時に編集し、コメントでやり取りする仕事が中心なら、Notionに残すほうが合う場合があります。多くのビューを使い分けて毎日運用しているデータベースも、作り直しの手間が先に立ちます。そもそも移すべきか迷っているなら、ObsidianとNotionの比較で条件を見直してください。

起きていること考えられる原因次にすること
ZIPをうまく取り込めないMarkdown形式で書き出しているHTML形式で書き出し直す
Import failed {id}.zip/{id}-Part-1.zip undefined.と出る数GB規模の書き出しで、ZIPが入れ子になっているZIPを展開し、中のExport-{id}-Part-1.zipなど、分割されたZIPをすべて取り込む
WindowsでZIPを展開できない入れ子のフォルダでパスが260文字を超えている7-Zipなどで展開する
取り込み中に固まって見えるほかのコミュニティプラグインの影響無効にして再度試す

API方式は公式が新しい機能と明記し、想定外のケースもあり得るとしています。ここにない問題は、公式のGitHubのIssueで同じ報告を探してください。

Notionを消す前に決める、次の行動

  1. テスト用の小さなページとデータベースを作り、数を書き出して空の保管庫へ取り込む
  2. 差を一覧にし、本番で使う方式と作り直すものを決める
  3. 本番の範囲を取り込み、業務の担当者に読んでもらう
  4. 今後の更新先を決め、問題がないと分かった後でNotion側の扱いを決める

取り込んだノートをAIへ渡す資料にする予定があるなら、この確認を先に終わらせます。添付の抜けや値だけになった数式は、ノートだけを見ても気づきにくいからです。渡してよい資料の範囲も、改めて決めてください。

PLaiのAI社員導入支援では、業務に必要な資料や手順を整理し、AIに任せる仕事へつなげています。移す資料の棚卸しや移行後の運用の決め方で迷うときは、ご相談ください。

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株式会社PLai 代表取締役 市岡直人
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記事を読む、その先へ。
次は、御社の話を聞かせてください。

参考資料・出典

製品の機能・仕様や外部の発表は、以下の資料を参照しています。PLaiの運用例・実績と、公式の説明を分けてご覧ください。

  • Import from Notion

    Importerの2つの方式、それぞれの手順、API方式の制限、大きなワークスペースのエラーへの対処を説明するObsidian公式ヘルプ。

    確認日:
  • Importer

    Importerの位置づけと導入方法を説明するObsidian公式ヘルプ。

    確認日:
  • Importer templates

    取り込み前のプレビューとテンプレートの編集、プレビューで解決されない項目を説明するObsidian公式ヘルプ。

    確認日:
  • Introduction to Bases

    ノートとプロパティを一覧にするBasesの仕組みを説明するObsidian公式ヘルプ。

    確認日:
  • obsidian-importer(GitHub)

    Importerの公開リポジトリ。READMEと、不具合を報告するIssueの入口があります。

    確認日:
  • obsidian-importer リリース 3.1.16

    2026年11月2日時点の最新リリース。2026年10月21日に公開されています。

    確認日:
  • Importerの表示文言(locale/en.txt)

    API方式の設定名と説明、取り込み結果の件数表示、日付を解釈できないときの案内を確かめられる英語の文言一覧。

    確認日:
  • Export your content

    書き出しの形式、ワークスペース全体の書き出し条件、リンクの期限、含まれないページ、Windowsでの展開を説明するNotion公式ヘルプ。

    確認日: