Obsidianのデイリーノートは、日付ごとに記録を残す標準機能です。最初は、保存先をdaily、雛形をtemplates/daily.mdにそろえれば、置き場所に迷わず書き始められます。

この記事では、設定から最初の1枚の確認までを先に説明します。後半は仕事の引き継ぎに使う記入例です。高度なタスク集計やAI連携まで一度に作る必要はありません。

Obsidianデイリーノートでできること

「今日のデイリーノートを開く」を実行すると、今日の日付のノートを開き、まだなければ作成します。同じ日付のノートがあれば、その続きに書けます。毎回新しい名前を考える通常のノートと、日付を入口にする点が異なります。

Obsidian公式のデイリーノート解説では、リボンのアイコン、コマンドパレット、割り当てたホットキーから開く方法を案内しています。日付が変わるだけで毎日ファイルを作る自動スケジューラーとして説明する機能ではありません。

なお、標準の「デイリーノート」と「テンプレート(Templates)」は役割が違います。ここを分けると、設定箇所を探しやすくなります。

機能何をするか指定するもの
デイリーノート(Daily notes)今日のノートを開く。なければ作り、その際に雛形を使う日付形式、保存先フォルダ、雛形ノート
テンプレート(Templates)開いているノートのカーソル位置へ雛形を挿入する雛形を置くフォルダ

今日のノートを雛形付きで作る指定と、すでにあるノートへの手動挿入を、同じ操作だと思わないことが大切です。

Obsidianデイリーノートの設定方法

ここでは同じ保管庫(Vault)の中に、記録用のdailyと雛形用のtemplatesを作る例で進めます。すでに使っている保存先があれば、記録を一括移動せず、現在の設定に読み替えてください。

コアプラグインを有効化する

設定の「コアプラグイン」で「デイリーノート」を有効にします。追加のコミュニティプラグインは、最初の1枚を作るためには必要ありません。設定内の「デイリーノート」を開き、次の項目を確認します。

テンプレートを紐付ける

Vault内にtemplates/daily.mdを作り、下の雛形を保存します。「設定 → デイリーノート」でテンプレートファイルとして選びます。新しく作る日付ノートへ適用されるもので、すでに存在するノートの本文を自動で置き換える設定ではありません。

保存先フォルダと日付形式を決める

設定項目今回の例間違えやすい点
日付の書式YYYY-MM-DD年・月・日を表す書式。今日の日付そのものは入力しない
新規ファイルの場所daily日付ノートを保存するフォルダを指定する
テンプレートファイルの場所templates/daily.mdのノートtemplatesフォルダだけではなく、雛形ファイルを選ぶ

YYYY-MM-DDなら、たとえば2026年10月19日に作るノート名は2026-10-19になります。後から書式や保存先を変えると、以前とは別の場所や名前を探すことになります。途中で変更する際は、古い記録の場所も控えておきましょう。

公式では日付の書式により年・月のサブフォルダへ分ける方法も案内されています。最初は一つのフォルダで作成を確かめ、必要になってから分けると確認する設定を減らせます。

Obsidianデイリーノートのテンプレート例

仕事の記録なら、何をしたかと、何が決まり、次に何をするかが区別できる雛形から始められます。次の例をtemplates/daily.mdへ貼り付けて保存してください。すべての欄を毎日埋める必要はありません。

コード・記入例
# {{date:YYYY-MM-DD}}

## やったこと
- 

## 決定したこと・理由
- 

## 気づき・未確認
- 

## 次の稼働日にやること
- 

{{date:YYYY-MM-DD}}は、作成時に日付を入れるための変数です。雛形ファイルの中でこの文字が残っていること自体は正常です。公式のテンプレート解説には日付・時刻の変数と、Daily notesでも使えることが記されています。追加プラグインのTemplaterで使う記法とは区別してください。

「決定したこと」には結論だけでなく、判断に使った条件を一言残します。「A案を採用」だけでは、次に同じ問題が出たときに使える理由が分かりません。「A案は必要な入力がそろっているため採用。B案は見積もり待ち」のように、決定と保留を分けます。

元資料がある場合は、ノート名や資料の場所も添えます。ただし、まだ確認していない数字や人の発言を、後から思い出して確定した記録として埋めないようにします。

デイリーノートを作成して確認する

設定しただけで終えず、作成されたノートの保存先・日付・見出しを確認します。コマンドパレットから「今日のデイリーノートを開く」を実行してください。

  1. ファイル一覧で、今日の日付のノートがdailyの中にあるか確認します。
  2. 本文に、雛形の4つの見出しと日付が入っているか確認します。
  3. 「やったこと」に、実際に今日行ったことを1行書きます。
  4. 別のノートへ移り、もう一度「今日のデイリーノートを開く」を実行します。
  5. 同じノートに戻り、書いた1行が残っているか確認します。

ここまでできれば、置き場所と書式と再オープンの確認が済みます。今日のノートをすでに作っていた場合、設定を変えても新規作成にはならないため、次の節で切り分けてください。

デイリーノートで困ったときの確認表

雛形が入らないときも、まず既存の記録を残したまま原因を分けます。「やり直すために今日のノートを削除する」を最初の手順にはしません。

起きていること先に確認する点次に試すこと
今日のノートは開くが白紙雛形を指定する前に作成済みではないか本文を残して必要な見出しを手で追記。新規作成時の適用は別の練習用Vaultで確かめる
雛形を指定できない同じVault内にtemplates/daily.mdが実在するかフォルダではなく、その中のノートを選び直す
思っていた場所にない「新規ファイルの場所」と「日付の書式」が以前と同じか設定先とファイル一覧を照合。古いノートを消したり、一括移動したりしない
日付の変数がそのまま残る雛形自身を見ていないか。中括弧やコロンが半角か{{date:YYYY-MM-DD}}と照合し、新しい日付ノートを作る操作で確認する
手動挿入の候補が出ないTemplatesの有効化と「テンプレートフォルダの場所」後述の挿入方法を確認。Daily notesの雛形指定とは分けて設定する

既存ノートに雛形を差し込みたい場合は、コアプラグインのTemplatesを有効にし、「テンプレートフォルダの場所」にtemplatesを指定します。挿入したいノートのカーソル位置を決め、「テンプレート: テンプレートを挿入」から雛形を選びます。

これはノート全体の置換ではなく、カーソル位置への挿入です。すでにある見出しと重複しないか、実行後に確認してください。同期や端末別の設定に迷ったら、Obsidianの基本操作・料金・同期の始め方を先に確認できます。

デイリーノートを翌朝の作業につなげる

夕方は「何をしたか」、次に「どこで止まっているか」、最後に「次の一手」を書きます。翌朝は直前の稼働日のノートを読み、今日の予定へ移します。前日のノートを自動で引き継ぐ追加設定は、この運用例の前提にしません。

次は、提案書の作成を例にした架空の記入例です。実施したことと、承認待ち・未送信を分けています。

コード・記入例
## やったこと
- 提案書の初稿を作成。対象業務と必要な入力を整理した。

## 決定したこと・理由
- 対象業務は請求書の一覧作成。元データを確認できるため。

## 気づき・未確認
- 外部への送信は未実施。金額の確認は担当者の回答待ち。

## 次の稼働日にやること
- 回答を確認し、金額を照合してから送信案を作る。

「提案書完成」だけよりも、確認済みの範囲と残る作業が分かります。休日を挟んだら、暦どおりの昨日ではなく最後に記録した日から再開して構いません。書いていない日を、実施したことにして埋める必要もありません。

週次で資産化する流れ

週の区切りに、見返す対象日を決めて読みます。「今後も使う判断」「案件の現在地」「その日だけの出来事」を分けると、すべてを同じ場所へ転記せずに済みます。判断の正式な変更は根拠を確認し、担当者が承認してから反映します。原記録へのリンクを残すと経緯をたどれます。

デイリーノートとタスク管理ツールの違い

日誌には、その日の経緯を残します。締切のある依頼や、複数日にわたる案件の現在地は、一つの案件メモやタスク管理先を決めて更新すると追いやすくなります。日付ごとに同じタスクを複写して、どれが最新か分からなくなる運用を避けます。

記録から知識へ整理する全体像はObsidianで第二の脳を作る方法、会社として更新先や担当を決める考え方はナレッジ構築の進め方で扱っています。ここではまず、今日のノートと次回の行動が結び付くところまでを確かめましょう。

デイリーノートを見返すための図解と依頼例

日々の記録を知識に変える。出来事 → 判断の理由 → 次の行動 → 週次の整理の観点を整理します。

図は、出来事を記録し、判断の理由と次の行動を残して、週次に整理する流れを示しています。日付ノートのすべてを別ノートへ写すより、再利用する判断だけを取り出し、元の日付へ戻れるようにするための整理です。

AIへ整理を頼む場合も、ノートが自動でAIの記憶になるわけではありません。共有してよい日付・案件の記録を選び、元の事実と提案を分けて確認します。会議から日次記録の材料を残す場合は、議事録の文字起こしとToDo整理を別の作業として扱ってください。日次記録を社内業務のAI連携へ広げる際に、参照範囲や人が確認する工程の設計から相談したい場合は、PLaiのAI社員導入支援で支援内容を確認できます。

次の作業を整理する依頼例
以下は共有してよい範囲の日次記録です。
対象日:[日付]
対象案件:[案件名]
記録:[必要な部分だけ貼り付け]

事実、決定と理由、未確認、次の行動に分けて整理してください。
元の記録にない成果や発言は補わず、不明な点は質問として残してください。
各項目に参照した日付を添え、提案は決定事項と分けてください。
外部への送信や、ノートの書き換えは行わないでください。

デイリーノートのよくある質問

毎日必ず書く必要はありますか?

ありません。必要な日に開いて、次に確認したいことを残す使い方でも構いません。継続日数や文章量だけを成果にせず、後から作業を再開できるかを目安にします。

毎朝、操作せずに新しいノートが作られますか?

ここで説明したのは、「今日のデイリーノートを開く」操作で、なければ作成する仕組みです。朝の決まった時刻に無操作で作る予約処理ではありません。まずリボン・コマンド・ホットキーのいずれかで開く方法を選びます。

CalendarやTemplaterは最初から必要ですか?

標準のデイリーノートで今日の1枚を作るためには不要です。日付をカレンダーから選ぶ、変数で複雑な処理をしたいなど、必要な操作が分かってから追加を検討します。

まとめ:Obsidianデイリーノートの1枚目を確かめる

保存先フォルダ・日付形式・雛形ファイルを分けて設定し、今日のノートを開いて1行書きます。同じ操作で再び開き、その1行が残ることまで確認してください。翌朝は前回の申し送りを読み、案件の現在地と次の作業をつなぎます。

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参考資料・出典

標準機能の説明はObsidian公式ヘルプを参照しています。本文の4項目の雛形と提案書の記入例は、使い方を考えるための例です。