導入後の成果

非会議業務の負担
体感 約10分の1ご本人の実感。全労働時間の計測値ではありません
新規AIコンサル受注
年間 数千万円規模専門性を活かした提案と支援へ展開
主な活用
調査・資料作成顧客別の形式へ整え、本人が確認
次の展開
IT・経営経験×AI経営者・起業家支援を構想

お話を伺った企業

テックライズラボ株式会社は、企業のIT活用や経営を支援するコンサルティング会社です。鈴木雅之さんは、大手企業向けの支援やIPO・MBOに関わってきた経験を、AIを使った仕事の進め方に結びつけています。

テックライズラボ株式会社 公式サイト
対談時の記念写真。左は株式会社PLaiの市岡、右はテックライズラボ株式会社の鈴木 雅之さん
対談時の一枚。左:市岡/右:鈴木 雅之さん
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ChatGPTは便利でも、調査と資料の仕上げは自分の仕事だった

鈴木さんの仕事は、顧客との会議だけでは終わりません。会議で分かった課題を調べ、過去の情報を確認し、顧客に提出できる資料へまとめる。その積み重ねが、次の提案や意思決定を支えます。一方で、継続案件の調査と資料作成に追われると、新しい仕事へ向けた活動に時間を割きにくくなっていました。

以前からChatGPTは使っていました。ただ、回答や文章のたたき台が出ても、手元の資料を踏まえた調整や、納品できる状態への仕上げは自分の仕事です。便利さは感じても、仕事全体が大きく軽くなったという実感にはつながっていなかったそうです。

Claude Codeなどの名前も知っていましたが、インストール方法を学ぶだけでは、自社の仕事にどう使うかが見えませんでした。鈴木さんにとって理解しやすかったのは、会社のように役割と情報を整理し、実際の業務をAIに任せるという説明でした。

会社の資料を整理し、顧客ごとの形式で仕事を任せる

過去の資料を参照しながら提案内容を確認する鈴木さんのイラスト

導入後は、顧客とのZoom会議を起点に、必要な調査や資料作成をAIに依頼し、鈴木さんが内容を確認する流れへ変わりました。ここで土台になったのが、これまでに作った提案資料や調査結果です。過去の仕事を参照できる状態にすることで、毎回背景を説明する負担を減らしています。

企業向けの資料には、顧客ごとのPowerPointの書式があります。内容が正しくても、提出先の形式に整える作業は残りがちです。鈴木さんは、決まったフォーマットへ内容を入れるところまでAIに任せられるようになったと話しています。文章の下書きにとどまらず、実務の完成形へ近づけたことが変化でした。

そのために、パソコン内のフォルダや資料の置き方も整理しました。必要な情報がどこにあるか分かり、AIが参照しやすい構造にする考え方は、企業の文書管理にも通じます。新しいツールを増やす前に、すでに持っている資料を仕事に使える状態へ整えました。

AIが作ったものを、そのまま顧客に提出しているわけではありません。会議で聞き取った内容や案件の背景に照らして、最後は鈴木さんが確認します。専門家として判断する工程を残しながら、その前段の調査や作成を任せる運用です。

会議以外の業務量が体感10分の1に。余裕を次の提案へ

AIによる調査・資料作成と提案の改善について話し合う対談イラスト

鈴木さんは、人が参加する会議などを除けば、自分が担う業務量は体感で約10分の1になったと振り返っています。これは、すべての労働時間を計測した数値ではなく、ご本人が説明した業務負担の変化です。会議の時間まで同じ割合で減ったという意味ではありません。

変化が大きかったのは、既存の仕事を回すだけで手いっぱいだった状態から、新しい提案や発信に取り組めるようになったことでした。余裕ができた後の営業活動も、資料づくりなどをAIに手伝わせています。効率化で生まれた時間を、次の仕事をつくる活動へ使う循環ができました。

鈴木さんが以前から気になっていた活動の一つが、noteでの発信です。書きたい知識や経験はあっても、目の前の業務を優先すると後回しになる。その状態が変わり、自分の専門性を言葉にして公開するところまで進めるようになりました。

年間数千万円規模の新規受注へ。専門知識を次の相談につなげる

専門知識をまとめた資料をもとに提案を考える様子のイラスト

テックライズラボの新規AIコンサル案件の受注は、年間数千万円規模に広がっています。AIで既存業務を進める時間を減らし、企業の課題を捉えて提案する時間をつくる。鈴木さんが積み重ねてきた専門性を、次の支援へつなげる動きが生まれています。

その過程を具体的に示す一例が、専門知識の発信から生まれた数百万円規模の案件です。

発信のテーマに選んだのは、企業内のデータ管理など、鈴木さんが実務で関わってきた分野です。一般的なAIの話題を広く追うより、自分が現場で見てきた課題や考え方を整理することに力を使いました。経験に根ざした内容なら、相談を受けたときにも具体的な支援へつなげられます。

書いた内容は、以前から接点のあった顧客にも共有しました。そこで考え方に関心を持ってもらい、新しい相談が生まれ、数百万円規模のAIコンサルティング案件を受注したといいます。

この受注には、専門知識を整理して記事にまとめ、以前から接点のある顧客に読んでもらったことがつながりました。AIは記事の材料を考えたり言葉にしたりする支援をしますが、その材料になる経験や、顧客との信頼関係は鈴木さんが積み重ねてきたものです。

既存の仕事で生まれた時間を、新しい提案へ
  1. 01過去の知識を渡す

    調査結果・提案資料・顧客ごとの書式を、参照しやすく整理する。

  2. 02調査・作成を任せる

    AIが資料を整え、鈴木さんが案件の背景や専門知識に照らして確認する。

  3. 03発信と提案に使う

    専門知識を記事にし、接点のある顧客へ共有。新しい相談へつなげる。

会社の方針を伝えると、AIから判断の矛盾を指摘されることも

AIに渡しているのは、過去の資料だけではありません。会社の方針や、経営者として大事にしている価値観も伝えています。何を重視し、どのような仕事をしたいかが共有されていると、目の前の依頼を処理する際にも、その方針を参照できるからです。

鈴木さんは、AIから会社の方針と合わない点を指摘され、自分の判断を見直した経験も話しています。指示を出す側がいつも一方的に正しいという関係ではなく、事前に伝えた考え方を確認する相手としても使うようになりました。

出力に問題があったときは、単に「間違っている」と伝えて終えません。なぜ違うのか、次はどの基準で考えてほしいのかまで説明するようにしています。その場の修正を、次の仕事でも使える知識に変えるためです。

最初は、背景や判断基準を伝える手間がかかります。この点は、人に仕事を引き継ぐ場合と同じです。鈴木さんは、一度整理した知識を蓄積して使える点に価値を感じています。

AIに仕事を説明する過程で、自分の専門性も整理された

誰かに仕事を任せるには、頭の中にある曖昧な考えを言葉にする必要があります。鈴木さんは、その過程で、自分がどのように仕事を進めているか、何を事業の軸にしたいかを改めて考えるようになりました。AIを使うための整理が、自社の仕事を見直す機会にもなっています。

さらに、経験や考えをAIに伝えると、それらを組み合わせた別の視点が返ってくることがあります。一人で考えているだけでは気づかなかった切り口を得られる点も、鈴木さんが感じている変化です。出来上がった文章の量だけでなく、考えを深める過程に活用しています。

この経験から、経営者の考えを言語化して共有することは、AIだけでなく実際の社員や幹部との仕事にも役立つのではないかと話しています。事業の方向性を伝えることは、AIを導入した後も経営者の役割です。

サンプルではなく、自分の業務資料で動かしてみる

学ぶ際に鈴木さんが重視したのは、実際の業務に結びつけることでした。一般的なサンプルを動かして終えるのではなく、自分が扱っている資料や相談内容で試す。そうすると、どこまで任せられ、どこで確認が必要かが具体的になります。

受講時に用意されていたAI社員のテンプレートも、始めるきっかけになりました。役割のひな形を使い、自分の仕事に合うように情報を加えることで、ゼロから全部設計する負担を減らせたといいます。テンプレートだけで完成するという話ではなく、自社の資料や方針を渡す工程が続きます。

講座の基礎解説に加え、実際に動かす場面を見られる配信や、オフライン・Discordでの交流も活用しました。他の実践例に触れることで、自分の仕事へどう取り入れるかを考える材料や、試してみようと思うきっかけを得ていました。

IT・経営の経験とAIを組み合わせ、支援する領域を広げる

鈴木さんが今後考えているのは、これまでのIT・経営支援の経験とAIを組み合わせた事業です。IPOやMBOにも関わってきた知識を生かし、AIを使って事業を伸ばそうとする経営者や起業家を支援したいと話しています。

企業のデータ管理と、日々の業務で働くAIの育成は、別々の話ではありません。資料が整理され、判断基準が共有され、使いながら改善できることで、AIに任せられる仕事の幅も変わります。鈴木さん自身が経験したこの過程を、顧客への支援にもつなげたいという構想です。

今回の事例では、調査や資料作成の負担が減ったことに加え、専門知識を発信し、新しい受注につなげる動きが生まれました。今後は、IT・経営の経験を生かした経営者・起業家への支援も構想しており、その土台には、自分の仕事で試し、確認してきた経験があります。

テックライズラボ株式会社の公式サイト
テックライズラボの公式サイト。AI活用を含むIT・経営支援など、同社の事業を紹介しています。同社の事業を見る ↗

この事例から考える、自社での取り入れ方

  1. 過去の成果物を整理し、背景や顧客別の形式までAIが参照できるようにする。
  2. 修正では、正解だけでなく理由と判断基準を伝える。
  3. 空いた時間で専門知識を記事や提案資料にまとめ、以前から接点のある顧客に届ける。

自社での活用を考える際は、AIエージェントの導入・活用支援もご覧ください。いまの業務と手元の情報を整理するところから相談できます。

この事例についての質問

業務量10分の1は、会議の時間も含む数字ですか?

含みません。対談では、人が参加する会議などを除いた業務量について、鈴木さんが体感で約10分の1と説明しています。実測した総労働時間の削減率ではありません。

専門知識の発信は、どのように新規受注につながりましたか?

年間数千万円規模の新規AIコンサル受注のなかで、鈴木さんが紹介した一例は、noteをきっかけに生まれた数百万円規模の案件です。企業のデータ管理などの専門知識を記事にまとめ、以前から接点のあった顧客へ共有したことで、新しい相談につながりました。

AIに渡したのは、どのような情報ですか?

過去の提案資料や調査結果、顧客ごとの書式に加え、会社の方針や経営者として大切にしている判断基準です。フォルダ構成も整理し、必要な資料を参照しやすくしました。

導入を始めるときに、何を試すとよいですか?

鈴木さんは、サンプルだけでなく自分の業務資料で動かすことを重視しています。この事例では、既存の調査・資料作成を任せ、本人が内容を確認しながら使い方を改善しました。

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