導入後の成果

比較した動画
同じ10分尺対談で紹介された編集条件
人の編集工数
約10時間 → 約1時間AI処理後の確認・手直しを含む
仕組みの開発
約2か月加藤さん・市岡・開発担当で共同開発
新しい仕事
LP制作を受注・納品既存の顧客からの依頼

お話を伺った企業

合同会社ロックライジングは、栃木を拠点にYouTubeの動画編集などを手がける会社です。加藤俊哉さんは「ロック」の名前でも活動し、外部の編集者とともに制作を進めています。

対談時の記念写真。左は株式会社PLaiの市岡、右は合同会社ロックライジングの加藤 俊哉さん
対談時の一枚。左:市岡/右:加藤 俊哉さん
写真を選ぶと拡大してご覧いただけます。

編集者を増やしても、品質と管理の負担が壁になった

動画のカットやテロップを細かく確認する加藤さんのイラスト

加藤さんは、YouTubeの動画編集を約3年手がけ、以前はSNSの運用代行にも取り組んでいました。対談で振り返った前年の売上は約2,000万円。一方で、2〜3年ほど事業の伸びに頭打ちを感じていたといいます。仕事を増やすには、制作できる量を増やす必要がありました。

そこで一時は、編集チームを約20人まで広げました。ただ、人が増えるほど品質のばらつきや確認、進行管理の負担も大きくなります。トラブルへの対応もあり、対談時点では3〜4人の体制へ絞っていました。人数を増やすことが、そのまま安定した生産量の増加にはつながらなかったのです。

加藤さん自身にも、仕事へ使える時間に制約がありました。限られた時間で既存案件を維持しながら、さらに依頼を受けられるようにしたい。そのためには、採用だけに頼らず、編集の進め方そのものを変える必要がありました。

Claude Codeに繰り返し指示を出すだけでは、実務は任せきれなかった

自動化する工程とプロが仕上げる工程について話し合う対談イラスト

AIに興味を持ち、Claude Codeも使っていた加藤さんですが、当初は何度も指示を出し直す状態でした。自分がずっと手をかけないと進まないなら、忙しい編集業務を十分には軽くできません。使える機能を知ることと、仕事として回る仕組みを作ることの間に差を感じていました。

Xで市岡の発信に触れ、OpenClawを使った仕事の進め方に関心を持ったことが、学ぶきっかけになりました。動画編集に加え、XやYouTubeの運用など、自分の事業に近い実践が扱われていた点にも魅力を感じたと話しています。

ただ、動画編集は、何かが自動で出力されれば完成する仕事ではありません。顧客に納品できる品質か、修正を求められたときに対応できるかまで確かめる必要があります。加藤さんが欲しかったのは、その現場の条件を満たす仕組みでした。

約2か月の共同開発。10分尺の動画で人の作業が約10時間から約1時間へ

転機は、個別の相談で加藤さんが実際の編集成果物を見せたことでした。どのような仕上がりが必要かを共有し、加藤さん、市岡、開発担当のりょうせいの3人で、自動化の仕組みを作っていきました。開発には約2か月をかけ、対談時点ではほぼ完成に近づいたと説明しています。

比較に挙げたのは、同じ10分尺の動画です。従来は人が手で編集すると約10時間かかっていた作業が、AIの処理後に人が確認し、手作業で仕上げる時間として約1時間になったといいます。約10分の1という数字は、この編集工程における人の工数の比較です。

AIの処理待ちを含む納品までの総経過時間や、会社の全業務が10分の1になったという意味ではありません。加藤さんは、今回扱った編集で、品質を保ちながら人の負担が大きく減ったと振り返っています。

以前は一人で取り組み、難しさを感じて諦めかけたこともありました。実際の完成形を見せながら、制作の知識と開発の知識を持ち寄れたことが、実務で使えるところまで近づける助けになりました。

対談動画の編集を、映像で見る

カット、テロップ、画面の切り替えが入ると、対談はどのように見えるのか。PLaiのホームページで公開している編集デモを紹介します。仕上がりを具体的に見ながら、任せたい工程や人が確認する箇所を考えられます。

音声を聞く場合は、プレーヤーの音量ボタンでミュートを解除してください。

PLaiの動画編集デモ:笠原さんとの対談・冒頭1分

Premiereで最後に直せることが、現場で使う条件だった

編集画面で動画の仕上がりを確認する様子のイラスト

加藤さんが重視したのは、普段使っているPremiereで後から編集できることです。動画として出力されても、顧客からの修正に対応しにくければ、現場の負担は残ります。慣れた制作環境で仕上げられるかどうかが、導入の判断に関わりました。

対談では、プログラムで動画を作るRemotionにも触れていますが、加藤さんには使い慣れた編集環境のほうが合っていました。新しい技術を使うことより、自分たちが納品まで責任を持って扱えることを優先した形です。

そのため、今回の仕組みでも人の確認や手直しは残っています。AIに任せて軽くなった工程と、プロとして仕上がりを判断する工程を分けています。品質を保てたという加藤さんの実感は、この確認作業を含めた運用についての説明です。

約10時間から約1時間へ。人が担う編集工程を減らす
  1. 01完成形を共有

    顧客に納品できる品質と、後から修正できる条件を開発側へ伝える。

  2. 02AIで編集を進める

    実際の制作物を確かめながら、繰り返す編集作業を仕組みに置き換える。

  3. 03Premiereで仕上げ

    使い慣れた環境で確認・手直しを行い、プロとして納品品質を判断する。

同じ10分尺の動画で比較した、人の編集工数。AIの処理待ちを含む納品までの総時間ではありません。

顧客数5倍は今後の見通し。まず生まれたのは受けられる余力

対談では、顧客数を5倍ほどにできそうだという話題も出ています。ただ、加藤さんはその場で、まだ顧客数が増えたわけではないと説明しています。確認できる変化は、編集にかかる人の工数が減り、追加の依頼を受ける余力が生まれたことです。

その余力ができると、以前からのつながりへ、仕事を受けられる状況を伝えられるようになります。加藤さんは、周囲から仕事の相談や紹介の話が来ていると話しています。対応できる量を増やせそうだと分かったことで、受注へ向けた動きも変わり始めました。

売上を3〜4倍にすることや、年商1億円という目標も語られていますが、いずれも対談時点では見通しや目標です。

動画編集の外へ。既存顧客のLP制作を受注し、納品まで進めた

実際に仕事の範囲が広がった例として、LP制作があります。加藤さんは、既存の顧客からランディングページの制作を受け、納品したと説明しています。それまで、公開作業まで含めたLP制作の経験はありませんでした。

制作では、日本語で希望を伝えながら進められたことが助けになりました。専門外の仕事でも、求められている内容を理解し、動くものを確かめながら完成へ近づける経験になっています。動画編集でつながった顧客へ、別の形でも支援できる可能性が見えました。

さらに、普段AIをどう使っているかを伝えたことから、AI秘書のような仕組みを作れないかという相談も受けています。LPは納品を終えており、AI秘書については対談時点では相談の段階でした。

最初の手直しを重ね、次の制作でも使える形へ残す

加藤さんは、スライド制作でも、最初のひな形を作る際に何度も修正を伝えた経験を話しています。必要な品質へ近づけるまで調整し、その土台ができた後は、約700枚のスライドを作る作業へ展開できたといいます。最初の準備を、次の制作で繰り返し使う例です。

対談時点では、約66のAI社員を用意していました。ただし、すべてを常時使っているわけではありません。役割を作ることと、日々の仕事で運用することは別です。使えるものを実務へ組み込み、必要に応じて改善する段階にありました。

講座の内容も、すべて見終わってから仕事を始めたわけではありません。実際の困りごとに合わせて学び、個別の相談で完成物を見せ、作業の結果を確認して次へ進めています。動画編集の共同開発にも通じる、実務を材料にした進め方です。

制作の余力を、発信と次の事業づくりへ振り向ける

人の作業が軽くなる前は、使える時間の制約から、事業が縮小する不安もあったと加藤さんは話しています。編集の負担が減ったことで、既存の仕事を続けながら、自分の発信や新しい仕事を考える時間を作りやすくなりました。

今後は動画編集に加え、顧客から寄せられた別の依頼にも対応できる範囲を広げたいと考えています。将来の事業売却も選択肢に入れ、個別相談では事業の方向性について話していたそうです。

この事例の中心にあるのは、単に動画を自動生成したことではありません。顧客へ届ける品質と、最後に手直しできる制作環境を残しながら、人が抱える作業を減らしたことです。その土台ができたことで、受注量や提供できる仕事の幅を、改めて考えられるようになりました。

この事例から考える、自社での取り入れ方

  1. 自動化する前に、顧客へ出せる完成物と修正に必要な条件を共有する。
  2. 普段の制作環境で仕上げられるようにし、人が確認する工程を決める。
  3. 減った工数と受注の実績を分けて捉え、余力を既存顧客への提案へつなげる。

自社での活用を考える際は、AIエージェントの導入・活用支援もご覧ください。いまの業務と手元の情報を整理するところから相談できます。

この事例についての質問

約10分の1になったのは、何の時間ですか?

同じ10分尺の動画で比較した、人の編集工数です。従来の約10時間から、AI処理後の確認と手直しが約1時間になったと説明しています。AIの処理待ちを含む総経過時間や、全業務の削減率ではありません。

AIが作った動画は、そのまま納品していますか?

人による確認と修正を残しています。加藤さんは、使い慣れたPremiereで後から編集できることを重視し、顧客へ納品できる品質を確かめながら運用しています。

工数が減ったことで、受注への動きはどう変わりましたか?

追加の依頼を受ける余力ができ、以前からのつながりへ仕事を受けられる状況を伝えられるようになりました。周囲から相談や紹介の話が来ていると説明しています。顧客数や売上の拡大は、これから目指す展開として語られています。

動画編集以外で、どのような仕事に広がりましたか?

既存顧客からLP制作を受け、納品しています。AI秘書のような仕組みについての相談も寄せられていますが、こちらは相談段階として紹介されています。

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