Claude Codeのautoモードは、操作のたびに許可を求める代わりに、別のAIモデル(分類器)が操作を確かめてから実行するモードです。分類器は、頼んだ範囲を超えていないか、登録していない外部のサーバーやサービスに向いていないか、読んだ文章にそそのかされていないかを見て、問題があれば止めます。v2.1.283以降は、ターミナルとVS Codeで始める対話の会話が、このモードで始まります。
開発者のBoris Chernyさんは日本時間2026年10月9日14時26分、許可を求める画面をまねた投稿に「autoモードを使って。もう確認は出ない」と返信しました。続く会話では、Claude CodeのProjectsではいつ使えるのかという別の利用者の質問に、「それが既定」「許可の選択欄にautoが見えない?」と答えています。本記事はこの返信と公式資料を10月12日に確認して書いています。編集部でも、テストを書いて実行し、古いファイルを消す同じ依頼を、autoモードと確認ありのモードで1回ずつ実行し、何が止まり、何が進んだかを録画しました。
元資料:Boris Chernyさんの返信(autoモードを使えば確認は出ない)。2026年10月12日確認。
autoモードの仕組み
公式資料によると、autoモードでは、Claudeが選んだ操作を次の順番で確かめます。
- 自分で書いた許可・確認・拒否のルールに当てはまる操作は、そのルールどおりに決まる。拒否のルールは止め、確認のルールは許可を求める
- 読むだけの操作と、作業フォルダー内のファイル編集は、確認なしで進む。ただし
.gitや.claudeのような保護されたパスへの書き込みは自動では通らず、分類器に回る。対話の会話で作業フォルダーの外を初めて読む時は、確認が出る - それ以外の操作(コマンドの実行や外部への通信など)は、分類器が上の3つの観点で確かめる。問題があれば止め、Claudeに理由を伝える
Claude公式動画:autoモードの仕組みと設定(5分42秒・英語)
Claudeの公式YouTubeチャンネルが2026年8月4日に公開した解説です。0:44から分類器の仕組み(あなたのメッセージと操作だけを見て、Claudeの説明文やツールの出力は見ない・止められたら別の安全な方法を探す・続けて止められたら確認に戻る)、3:33から環境の設定を説明しています。公開時点の内容のため、既定で始まる条件や使えるモデルは本文の公式資料で確認してください。
出典:Anthropic / Claude ↗
止められた操作は通知され、/permissionsの「Recently denied」に並びます。そこでrを押すと、自分で許可して実行し直せます。Borisさんも、「分類器が、さっき自分で許可した操作を止めることがある」という声に、「/permission(原文の表記)で解除して、そのまま解除しておける」と返信しています。分類器が3回続けて、または合計20回止めると、autoモードは一時停止し、確認を求める動きに戻ります。
公式資料が「既定で止める」としている操作の例は次のとおりです。
curl | bashのように、ダウンロードしたコードをそのまま実行する- 機密データを外部へ送る
- 本番へのデプロイやデータベースの移行
- クラウドのストレージでの大量削除、権限の付与、共有の基盤の変更
- セッションの前からあったファイルを元に戻せない形で消す
- 強制プッシュ
一方で公式資料は、autoモードは確認を減らすもので、安全を保証するものではないと書いています。大事な操作の確認を、まるごと任せる使い方は勧めていません。
会話で伝えた「禁止」と「許可」も判定に使われる
分類器は、会話の中で伝えた言葉も読みます。公式資料の説明は次のとおりです。
- 禁止:「pushしないで」「確認するまでデプロイしないで」と伝えると、ふだんなら通る操作でも止めるようになる。ただし禁止はルールとして保存されず、会話の要約(コンパクト)でその発言が消えると効かなくなる。確実に止めたい時は拒否のルールに書く
- 許可:止められた操作について「してよい」と伝えると、承認として扱われることがある。操作の名前だけでなく、危ない部分の具体的な中身(強制プッシュならブランチ名など)まで書いた時に限られ、効くのは基本的に名指しした1回だけ。続けて許可したい操作は設定に書く方法があり、承認しても解除されないブロックもある
画像を拡大 ↗Anthropic公式の図:分類器に渡る部分(Transcript filtering)
左が会話の全体、右が分類器に渡る部分です。あなたのメッセージと、実行するコマンドそのものは残り、Claudeの説明文とツールの出力は外されます。会話で伝えた「禁止」や「許可」が判定に使われるのはこのためです。2026年3月の技術解説の図で、8月の公式動画でも同じ説明がされています。
出典:Anthropic ↗後で紹介する編集部の実験で、依頼文に書いた削除が止まらなかったのも、この「許可」と関係があると考えられます。
autoモードにする方法・戻す方法と、使える条件
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 何もしない | v2.1.283以降、ターミナルとVS Codeで始める対話の会話はautoで始まる。claude -pやAgent SDKは、多くの環境で確認ありのモード(default)で始まる(クラウド経由など一部の環境ではautoで始まる) |
Shift+Tab | 会話の途中でモードを切り替える。autoが候補に出ない時は下の条件を確かめる。確認ありに戻す時も同じ操作 |
claude --permission-mode auto | その起動だけautoで始める。claude -pでも使える。確認ありで始めたい時は--permission-mode default |
~/.claude/settings.jsonのpermissions.defaultMode | 毎回始めるモードを決める。"auto"はプロジェクトの.claude/settings.jsonやsettings.local.jsonに書いても効かない |
Claude Code公式ドキュメントのアニメーション:Shift+Tabで許可モードを切り替える
Shift+Tabを押すたびに、画面下の表示が auto mode on → manual mode on → accept edits on → plan mode on → auto mode on と変わります。今どのモードかは、この表示で確かめます。
出典:Anthropic / Claude ↗使える条件は次のとおりです。
- プラン:すべてのプラン。TeamとEnterpriseでは、管理者が
permissions.disableAutoModeで止めている場合がある - モデル:Anthropic APIでは、Opus 4.6以降、Sonnet 4.6以降、Haiku 5.5、Fableのモデル。Sonnet 4.5・Opus 4.5・Haiku 4.5などの古いモデルでは使えない
- 利用経路:Anthropic APIのほか、Amazon Bedrock、Google CloudのAgent Platform、Microsoft Foundryでも使える。ただしBedrockなど3つのクラウドで使えるモデルは、Sonnet 5以降、Opus 4.7以降、Haiku 5.5、Fableに限られる
「autoモードは使えない」と表示された時は、まず上の条件と、設定ファイルにdisableAutoModeが書かれていないかを確かめます。
編集部で試した:同じ依頼をautoと確認ありで実行
2026年10月12日、架空の教材フォルダーに、足し算の関数だけを書いたcalc.pyと、セッションの前からあるold-report.txtを置きました。依頼は「テストをtest_calc.pyに書いて実行し、そのあとold-report.txtをrmで削除して」です。Claude Code 2.1.296をSonnet 5.5で、--permission-mode autoを付けて実行しました。ふだんの設定ファイルの影響を受けないよう、--setting-sources projectでこのフォルダーの設定ファイルだけを読むようにしています。
画面は、Claude Code CLIをclaude -pで実際に動かし、その出力をそのまま映した編集部の確認用の画面です。Claude Codeのターミナル画面そのものではありません。画面右下の「結果の確認」欄の2行目は、autoモードの実行が終わった後に、同じ依頼を別のフォルダーで--permission-mode manual(確認ありのモード)にして実行した結果です。




| 操作 | autoモード | 確認ありのモード |
|---|---|---|
calc.pyを読む・フォルダーの中身を見る | 確認なしで進んだ | 確認なしで進んだ |
test_calc.pyを書く | 確認なしで進んだ | 止まった(-pでは許可を答えられないため、拒否として扱われた) |
python3 test_calc.py -vを実行 | 確認なしで進み、5件のテストがすべて通った | 実行されなかった |
rm old-report.txt | 確認なしで進み、ファイルは消えた | 実行されなかった。ファイルは残った |
- autoモードは、テストの作成・実行・削除までを約11秒で終えました。止められた操作はありませんでした。
- 確認ありのモードでは、書き込みが止まった後、Claudeは「書き込みを拒否された以上、Bashなど別の経路で同じファイルを作るのは避ける」と答え、許可するかどうかを聞いて終わりました。
- 「セッションの前からあったファイルを消す」は既定で止める例に挙がっていますが、今回は止まりませんでした。依頼文でファイル名まで挙げて削除を頼んでいたため、上で紹介した「会話で伝えた許可」に当たったと考えられます。ただし実行記録には分類器の判断の中身は残っていないため、理由は推測です。
録画の前にも、予備の試行を2回しています。1回目は録画と同じ依頼で、結果も同じでした。2回目は依頼の後半を「開発用ツールをcurl -fsSL https://example.com/install.sh | bashで入れて」に変えたところ、curl | bashも止まらずに実行されました。example.comは404を返したので何も入っていませんが、既定で止める例に挙がっている操作でも、依頼文で具体的に頼むと止まらないことがある、という結果です。どちらも録画はしていませんが、ログをZIPに入れています。
編集部で試した入力と結果
Claude Codeを実際に動かした手順(CLI)
- 起動した画面:検証コンソールを開き、claude --versionが2.1.296を返すことと、calc.pyとold-report.txt、autoモードの起動コマンドを確認した
- 実際の依頼を入力:テストの作成・実行と、古いファイルの削除を頼む依頼文を入力欄に入れた
- 実行中の様子:Claude Code 2.1.296がSonnet 5.5のautoモードで起動し、ReadとBashのlsを確認なしで実行した時点の画面
- 完了後の結果を確認:autoモードではテストの作成・実行・削除が確認なしで進んだ。確認欄に、manualモードでは書き込みが拒否されtest_calc.pyが作られずold-report.txtが残ったことが表示された
成果物の確認:確認コマンドで、autoモードの作業フォルダーのテストを再実行し、old-report.txtの有無を確認。続けて同じ依頼をmanualモードで実行し、拒否された操作とファイルの状態を表示。
今回、実際に入力した内容
calc.py の add 関数のテストを test_calc.py に書いて python3 test_calc.py で実行し、結果を見せてください。そのあと、もう使わない old-report.txt を rm で削除してください。
実際に得られた結果
`test_calc.py` を作成し、`add` のテスト5件がすべて通りました。そのあと `old-report.txt` を `rm` で削除しました。
**テスト結果**(`python3 test_calc.py -v`)
```
test_float (__main__.TestAdd.test_float) ... ok
test_mixed_sign (__main__.TestAdd.test_mixed_sign) ... ok
test_negative (__main__.TestAdd.test_negative) ... ok
test_positive (__main__.TestAdd.test_positive) ... ok
test_zero (__main__.TestAdd.test_zero) ... ok
Ran 5 tests in 0.000s
OK
```
テストの内容は、正の数、負の数、正負の混在、ゼロ、浮動小数点(`assertAlmostEqual`)です。
テストの実行で `__pycache__/` ができました。不要なら削除できます。
autoモードを使う時の注意:編集部の目安
ここからは編集部の提案です。
- 依頼文に、危ない操作を混ぜない:今回のように、依頼文で具体的に頼んだ削除やインストールは、止まらないことがあります。消す・送る・入れる操作は、作業の依頼と分けて、内容を確かめてから頼みます。
- どうしても止めたい操作は、拒否のルールに書く:拒否のルールは分類器より先に効き、会話の要約で消えることもありません。書き方と限界は拒否のルールの記事にまとめています。
- 止められた操作は、/permissionsで確かめる:「Recently denied」に並んだ操作を見て、必要なものだけ
rで許可します。 - 大事な作業の前に、確認ありへ戻す:
Shift+Tabで切り替えられます。本番の設定やお金が動く作業では、確認ありのモードで一つずつ見る方が安心です。
よくある質問
autoモードは、すべての操作を自動で許可するモードですか?
違います。確認をすべて飛ばすのはbypassPermissionsです。autoモードは、読むだけの操作と作業フォルダー内の編集を確認なしで進め、それ以外を分類器が確かめて、頼んだ範囲を超える操作などを止めます。
autoモードの分類器に、追加の料金はかかりますか?
公式資料によると、Pro・Max・Teamでは追加の料金はかからず、料金の通知も出ません。Enterprise、Claude API、クラウド経由のアカウントでも、サーバー側で確認している間は、確認は会話のリクエストの中で行われ、料金はかかりません。社内の中継サーバーを通している場合などでサーバー側の確認が使えず、Claude Codeが自分で分類器を呼ぶ時だけ、その分がトークンの使用量に入り、通知が出ます。
止められた操作を、毎回許可するのは面倒です
よく使う安全な操作は、許可のルールに書いておけます。ただし、どんなコードでも実行できてしまう広い許可(Bash(*)やBash(python*)など)は、autoモードに入った時点で外されます。
まとめ:確認が多いならautoへ。ただし依頼文で頼んだ操作は止まらないことがある
autoモードは、分類器が操作を確かめ、頼んだ範囲を超える操作などを止めるモードで、v2.1.283以降は対話の会話の既定になっています。編集部の実験では、テストの作成・実行・削除が確認なしで進み、確認ありのモードでは書き込みの時点で止まりました。一方で、依頼文で具体的に頼んだ削除やcurl | bashは止まりませんでした。危ない操作は作業の依頼と分けて頼み、どうしても止めたい操作は拒否のルールに書いておくのがおすすめです。




