Ultrafastは、GPT-6.1 SolとGPT-6 Astraの出力を速くする、OpenAI APIで最も速い処理モード(サービスティア)です。2026年10月8日にAPIでGPT-6.1 Solへ追加され、同じ日にCodexとChatGPT Workでも提供が始まりました。速くなる代わりに、料金と利用枠の消費は大きく増えます。この記事では、使える条件、指定方法、料金の見方、使う場面の判断基準を公式資料から整理します。

10月8日に何が変わったか

元のX投稿を見る
StandardとUltrafastの出力の速さを、公式動画で比べる

OpenAI DevelopersがXで公開した14秒の紹介動画です。前半は「This is GPT-6.1 Sol in Standard mode.」が1文字ずつ表示され、続く「This is GPT-6.1 Sol in Ultrafast Mode.」はほぼ一瞬で表示されます。最後に、Codex・ChatGPT Work・APIで使えると案内しています。音声はなく、無音で自動再生します。

出典:OpenAI Developersの元投稿をXで見る ↗ · 確認日:2026-10-09

変化は2つあります。1つ目はAPIです。Responses APIでgpt-6.1-solにservice_tier: "ultrafast"を指定できるようになり、APIの全ユーザーが利用できます。公式ガイドでは、GPT-6 AstraのUltrafastも同じく全APIユーザー向けと書かれています。Ultrafast modeガイド

2つ目はCodexとChatGPT Workです。こちらはPro $500と、条件を満たすEnterprise・Eduプランが対象です。条件を満たすのは、クレジット制または利用額に応じた従量課金のEnterpriseと、クレジット制のEduで、利用制限型の旧Enterpriseプランは対象外です。ほかのセルフサービスのプランは、クレジットを購入していても開始時点では使えません。Enterpriseでは初期状態でオフになっており、ワークスペースの管理者が有効にする必要があります。Codex Speed

OpenAI DevelopersはXでの発表で、Astraに近い賢さをSol Standardの最大8倍の速さで使えると説明し、想定用途に障害対応のデバッグ、アプリを操作するエージェント、一秒を争うライブ体験を挙げています。速度の数値は公式の説明で、編集部が測定した結果ではありません。

Codexで使う条件と、利用枠の減り方

Codexには、標準の速さ(Standard)のほかにFast modeとUltrafast modeがあります。違いは速さだけでなく、同じ作業で利用枠やクレジットをどれだけ使うかです。

モード対象モデルプランに含まれる利用枠の消費購入クレジット・Enterpriseの従量課金
Standard各モデル基準(1倍)基準(1倍)
FastGPT-6.1 Sol、GPT-6 Astra、GPT-6 Sol、GPT-6 Lunaなど2.5倍2倍
UltrafastGPT-6.1 Sol、GPT-6 Astra8倍6倍

Pro $500では、Ultrafastはまずプランに含まれる利用枠を使い、使い切った後に手持ちのクレジットを使います。利用枠を8倍の速さで減らすことになるため、長時間のタスクを何本も並べる使い方では、すぐに枠の残りを確認する必要が出てきます。

Fast modeはCLIの/fastで切り替えられると公式に書かれています。一方、Ultrafastの切り替え操作は公式ページに手順として書かれていません。使える状態かどうかは、自分のプランとワークスペースの権限、Codexのモデル・速度の設定画面で確認してください。

ChatGPT WorkとCodexは料金・クレジット・利用枠を共有します。片方で大量に使うと、もう片方の残りも減ります。また、CodexをAPIキーでサインインして使う場合は、この倍率ではなくAPIのトークン料金が適用されます。

APIでの指定方法

APIでは、リクエストにmodelとservice_tierを指定します。次は公式ガイドの例を、Sol向けに書き換えたものです。APIキーは環境変数に入れ、記事やリポジトリへ直接書かないでください。

Ultrafastでの最小リクエスト例
curl https://api.openai.com/v1/responses \
  -H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{
    "model": "gpt-6.1-sol",
    "input": "空が青い理由を1文で説明してください。",
    "service_tier": "ultrafast"
  }'

公式ガイドは、ツール呼び出しが多いエージェントではWebSocketでの常時接続を強く推奨しています。HTTPでも使えますが、リクエストごとの通信の手間が残ると、速くなった分が目減りするためです。WebSocketでは同じ接続でprevious_response_idを渡して会話を続けます。

Ultrafastのレート制限は、StandardやFastとは別に設定されています。APIの利用ティアごとの初期値は次のとおりです。

利用ティアGPT-6.1 Sol(1分あたりトークン)GPT-6 Astra(1分あたりトークン)
Build1,000,000500,000
Launch4,000,0001,000,000
Grow40,000,0005,000,000

利用ティアは10月6日に5段階から3段階へ整理されたばかりです。自分の組織がどのティアかは、OpenAI APIの利用ティアの解説で確認方法をまとめています。データの処理地域は、GPT-6.1 SolのUltrafastが米国・EUのデータ所在地とグローバル処理に対応し、GPT-6 Astraは米国とグローバル処理のみです。

料金:Standardとの差を先に計算する

100万トークンあたりの料金(入力が272Kトークン以下の短いコンテキスト)を並べると、差がはっきりします。

モデル・モード入力キャッシュ済み入力出力
GPT-6.1 Sol Standard$2.00$0.10$10.00
GPT-6.1 Sol Fast$4.00$0.20$20.00
GPT-6.1 Sol Ultrafast$12.00$0.60$60.00
GPT-6 Astra Standard$10.00$1.00$50.00
GPT-6 Astra Ultrafast$60.00$6.00$300.00

表から計算すると、どちらのモデルもUltrafastはStandardのちょうど6倍です。Solの出力100万トークンなら、Standardの$10に対してUltrafastは$60になります。入力が272Kトークンを超える長いコンテキストでは、さらに高い料金表が適用されます。API Pricing

同じ作業をUltrafastに切り替えると、使うトークン数が同じなら費用は単純に6倍になります。逆に、急がない処理ならBatchやFlexの料金(Solは入力$1.00・出力$5.00)が使えます。速さと費用の両端を知ったうえで、どの処理をどちらに置くかを決めるのが現実的です。

速さに払う価値がある場面・ない場面

以下は、公式が挙げた用途をもとにした編集部の判断例です。実際に導入するかは、自分たちの処理時間と費用を測って決めてください。

場面Ultrafastを検討する理由代わりの選択肢
本番障害の調査待ち時間がそのまま停止時間になる平常時の調査はStandard
画面やアプリを操作するエージェントツール呼び出しの往復が多く、待ちが積み上がる操作数を減らす設計を先に検討
利用者が画面の前で待つライブ体験応答の速さが体験そのものになるストリーミング表示で体感を改善
夜間の一括処理・大量の要約速さの価値が小さいBatch・Flexで費用を下げる
Codexでの日常的な実装枠を8倍で消費するため割に合いにくいStandardかFast、急ぐ時だけ切り替え

試す前のチェックリスト

  1. 自分のプランが対象か確認する(CodexはPro $500・対象のEnterprise・Edu。APIは全ユーザー)。
  2. Enterpriseなら、管理者にワークスペースでの有効化と、利用者ごとの支出管理を確認する。
  3. APIなら、組織の利用ティアとUltrafastのレート制限を確認する。
  4. 同じ入力でStandardとUltrafastの完了時間と費用を測り、差が業務上の意味を持つか判断する。
  5. データ所在地の要件がある場合は、AstraのUltrafastはデータ所在地が米国のみ(グローバル処理は可)である点を確認する。

Codexで繰り返す作業の進め方は、AGENTS.mdやSkillsに整理しておくと、モードを切り替えても同じ確認手順を保てます。

一件の費用で比べる:入力2万・出力2千トークンの例

料金表を自分の仕事へ置き換えるため、GPT-6.1 Solで入力20,000トークン、出力2,000トークンを使う架空の例を計算します。短いコンテキストの料金を使い、キャッシュ、追加ツール、地域処理の加算、税などは含めません。実際の請求額や出力トークン数を保証するものではありません。

モード入力分出力分一件の合計
Standard20,000 ÷ 1,000,000 × $2 = $0.042,000 ÷ 1,000,000 × $10 = $0.02$0.06
Ultrafast20,000 ÷ 1,000,000 × $12 = $0.242,000 ÷ 1,000,000 × $60 = $0.12$0.36

この条件では一件の差が$0.30、同じ消費量で1,000件なら差は$300です。頻度が高い処理ほど、一回の待ち時間短縮と件数を合わせて判断する必要があります。単価の根拠はOpenAIの料金表です。

速度比較で、モデル以外の時間を混ぜない

比較の入力と出力条件をそろえ、少なくとも「応答が始まるまで」「応答が終わるまで」「業務として確認を終えるまで」を分けて記録します。ツールの応答待ちや人の確認が大半を占める処理では、モデルの出力だけ速くなっても、仕事全体の短縮は小さい場合があります。

比較対象の入力ID:
モデル・モード・推論設定:
入力と出力の条件:
最初の応答までの時間:
応答完了までの時間:
ツール実行や外部処理の時間:
確認・修正まで終えた時間:
実際のusageと費用:
結果の品質・失敗・再試行:
実施日時と回数:

一回だけ極端に速い結果を選ばず、遅かった回や失敗した回も残します。キャッシュ状態、混雑、出力の長さが違う場合は、同じ条件の比較になっていない可能性があります。まず通常モードで満たすべき品質と完了条件を決め、その条件を保ったまま待ち時間が減ったかを確認しましょう。

Codexのプラン内利用枠と、APIのドル建てトークン料金は別の計算です。この表をそのままプランの残り利用回数へ換算せず、どの契約と認証方式で使っているかを確認してください。

よくある質問

Pro $500以外の個人向けプラン(Plusなど)でも使えますか?

公式ページでは、開始時点でCodexのUltrafastを使えるのはPro $500と条件を満たすEnterprise・Eduプランです。ほかのセルフサービスのプランは、クレジットを購入していても対象外と書かれています。

Ultrafastにすると賢さも上がりますか?

Ultrafastは同じモデルの処理を速くするモードです。公式ガイドは「速さが高い費用に見合うときに使う」と説明しており、賢さを上げる設定としては書かれていません。考える深さを変えたい場合は、モデルや推論の設定を別に検討します。

「Astraに近い賢さで8倍速い」はそのまま比較に使えますか?

公式アカウントの説明として紹介はできますが、自分たちの業務での効果は別です。入力の準備、ツールの待ち時間、人の確認まで含めた時間を、同じ条件で測って判断してください。